「没後50年記念 一ノ瀬泰造展 」を鑑賞して

 武雄市の市立図書館で今年7月〜8月に「没後50年記念 一ノ瀬泰造展」が開催されました。
高17回卒の緒方浩二郎さんが帰省時に鑑賞され、レポートを送ってくださいましたので掲載します。

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 7月29日~8月2日、娘家族と武雄・佐世保を旅行しました。武雄では京都屋旅館に2泊。ゆっくりした旅でした。
 7月30日、少し先祖のことで調べたいことがあり、郷土関係の資料も豊富な武雄図書館を訪ねたところ、“没後50周年記念 一ノ瀬泰造展”を開催中で、2時間ほどかけてじっくり氏の足跡を追うことができました。

 氏は武高18回、報道写真家として活躍され、1973年、内戦のカンボジアで26歳の命を落とされたことは、皆様ご承知のことと思います。これまでにも2度ほど東京で開催された写真展を見学したことがあります。また氏の著書も2冊ほど読んでおります。もう50年経ったのかと、こういったことが歴史の中に組み込まれていく過程に触れた思いでした。

 当時、氏はベトナム、カンボジアの戦闘で、結局犠牲になるのは民衆、一般の兵士であり、兵士もまた民衆出身であることに気づき、やりきれない思いに駆られ“もう、みんな 家にかえろー”と呼び掛ける境地にたどりつかれました。そして今もなお、世界各地で、特にウクライナで繰り返されている戦い。氏が今に存命であれば何をしただろうか。世界的なジャーナリストとして平和の実現に向けて奔走されているかもしれない、などと想像しました。

 展示写真の中に、武高体育祭で、長距離走でゴールインする選手に向けてゴールライン手前からカメラを構えている一人の高校生の後ろ姿の写真がありました。白のキャップ、白のトレシャツ、白のトレパン。トレシャツの背中に“タイゾー”とマジック書きの名前。物理部の部長として体育祭の写真撮影を一手に引き受けていた氏の青春真っ只中の写真です。展示の説明ではこのころから写真家を目指し、日大芸術学部・・・という将来を見据えておられたとのことです。

 実は小生(17回)も1年生の時に物理部に所属し、写真を撮っては暗室にこもって、現像液の中でポジの像が浮かび上がってくるのを見る楽しさにふけっていた思い出があります。1年でやめてしまったので、1年後輩の一ノ瀬氏との接点を持てなかったことが、今となっては残念です。

 報道写真の世界に大きな足跡を残された武陵会員がおられることを紹介したく、投稿した次第です。

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  武雄市立図書館では、色々なイベントが開催されています。帰省の折など図書館に寄ってみてはいかがでしょう。

▶︎武雄市立図書館 https://takeo.city-library.jp/
▶︎没後50年記念 一ノ瀬泰造展(アーカイブ) https://takeo.city-library.jp/event/Historical%20Museum%20special%20exhibition/entry-2442.html

 会員の皆さまの故郷の情報や学生時代の思い出なども募集しています。お寄せください。
▶︎武陵会東京支部メール dousoukai@bukou.tokyo

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